【コラム】カーボローディングをファットアダプテーションの視点で考える

マラソンのパフォーマンスを向上させるための食事として、一般的にもっとも重要視されている事は「グリコーゲンの回復」つまり、「炭水化物」をたくさん摂取して、たくさんのエネルギーの貯蔵を行うことを目的としていました。
ただし、そのような方法でたくさんの「グリコーゲン」を蓄えても、エネルギー代謝のバランスによっては、フルマラソンを走り切るまで持ちこたえることができない場合があります。

「30キロの壁」
「ハンガーノック?」
「ボンキング」

様々な言われ方をしていますが、つまり「枯渇」してしまいます。
長く走り続けるために車のガソリンタンクを大きくしすぎると、、燃料の重さで燃費が悪くなったり、燃料タンク自体の重さで燃費を悪くしたりと、様々な弊害が生まれてしまいます。
「グリコーゲン」を貯蔵するためには、その3倍近い水分が必用になると言われています。
つまり1グラムのグリコーゲンには3グラム程度の水が結合します。
当然それとともに体重も増加します。
選手の体組成や身長にもよりますが、多い場合で2000g程度の体重の増加があると言われています。

Eur J Appl Physiol
. 2015 Sep;115(9):1919-26.
Relationship between muscle water and glycogen recovery after prolonged exercise in the heat in humans

体重: 50kg
VO2MAX: 70ml/kg

(3500ml/min)の選手が体重2キロ増えたらVO2MAX: 67.3 ml/kgに計算上では下がりますそれぞれの代謝状態によってはその大量のグリコーゲンの恩恵を受けて、高いパフォーマンスを発揮できる場合があります。

しかしながら、2000グラムの体重の変化は選手によってはかなりパフォーマンスに影響する場合がありますので、レースの前に突然チャレンジするのは避けたほうが良いかもしれません。

福地

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