一年の初めとなると、どのレースに出ようかな?と考える方が多いと思います。
以前のコラムでは計画の重要性をお伝えしました。
それをエクセルなどを使って可視化しておくとトレーニングを進めやすくなるかと思います。
今回はSPCで行っているその1例をご紹介したいと思います。
目次
- 出るレースと優先順位を考える
- レースまでの期間とフェーズ、トレーニングの主な内容を考える
- TSSの推移を計画する
出るレースと優先順位を考える
まずはゴールを決めていかないと計画できないので、出るレースを決めていきましょう。
レースを決める際は今現状の自分がどのくらいトレーニング出来ているのかを考えて出るレースを決めて欲しいなと思います。
現在怪我をしている方が1ヶ月後のレースに出るというのは無謀です。またトラックの5000mのレースに出てる人が2ヶ月後に100mileのトレイルレースに出るというのは難しいと思います。
現状自分がどのくらい走れていて、どのレースなら余裕を持って身体を作れるかを考えていきましょう。
優先度の1番高いレースまでには、トレーニングでの身体の変化を考えると最低でも4ヶ月、余裕を持って6ヶ月は欲しいです。
出たいレースが複数ある場合は距離や強度に気をつけながら優先順位をつけていきましょう。
ピークを何度も作るのはとても難しいですし、身体にも負荷がかかるので怪我や病気になりやすいです。
質の高いトレーニングが多くなるショートレースは、毎週毎週出てしまうと身体が休まる時がありません。
時間が長くなるロングレースは、レースそのものの疲労が抜けるのに時間がかかります。
そういったことを踏まえて出るレース、優先順位をつけていきましょう。
レースまでの期間とフェーズ、トレーニングの主な内容を考える
次に優先順位の高いレースまでどのくらいの期間があるかみて、それをフェーズ分けします。
人の身体は変化するまでに4〜6週程度かかるので、4〜6週を1フェーズと考えSPCではフェーズを4つに分けています。
フェーズ4はテーパリング(レースにピークを合わせるためにトレーニング量を減らす方法)していく時期になるので、2〜3週にしています。
なので優先順位の一番高いレースまでに4〜6ヵ月設け、1フェーズを4〜6週にし、フェーズ毎に主なトレーニング内容を考えていきます。
トレーニング内容は色んな刺激を与え過ぎると変化に乏しいので、主に変化させたいことをフェーズ内で集中させてトレーニングしていきます。
トレーニング内容はレースから時期が遠いほどレースとは異なる刺激を、レースに近ければ近いほどレースと同じ刺激を加えます。
TSSの推移を計画する
TSSは以前の記事を見ていただけると分かると思いますが、疲労度を数値化したものです。
数値で表されるので客観的にトレーニングの状態や疲労の状態を見ることができます。
トレーニングを常に頑張ることは難しく、怪我や病気、オーバートレーニングの原因にもなりえます。
疲労を数値で見ることができるTSSを用いて、身体にかかる負担を計画することで、それらを防ぐことがで出来ます。
SPCでは1week毎に疲労度を計画しています。
1week毎にかけられるTSSはいろいろな方法がありますが、大体はそれまでのトレーニングから基準となるTSSを出しています。
1週、2週と段階的にTSSを増加させリカバリーを挟む3サイクルや、1週、2週、3週と段階的にTSSを増加させリカバリーを挟む4サイクルなどTSSの掛け方は色々と方法があります。
身体に負荷をかけないとパフォーマンスのアップはしませんが、リカバリーを取らないと怪我や病気、オーバートレーニングになるので、必ずリカバリーの週は設けましょう。
エクセルなどを使用し、目標レースに対してTSSを計画していくと下の図のようになります。
これはひとつの例ですが、このように可視化しておくと目標のレースまでにどのようにTSSを積み重ねるかが一目瞭然ですよね。
また、トレーニングの主な内容などもまとめておくと良いと思います。
ほとんどの方がセルフコーチングかと思いますので、ひとつの参考になさってください!